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第2回

「家の維持と管理」構造編

構造とは、住まいの重要な骨格です。コンクリートでできた「基礎」、
基礎の上に据えつけられる「土台・床組」、土台の上に建てられる柱や梁などの
軸組・小屋組」、そして基礎の下にある「地盤」の4つから構成されています。

まずは基礎の部分から。

建物の基礎部分を、素人が自分で点検することはできるのでしょうか?

小池
もちろん、できますよ。木造、鉄骨造、コンクリート造、どんな建築でも
(鉄筋)コンクリート製の基礎の上に建っています。
まず建物の周りをぐるりと歩きながら、基礎部分にヒビ割れがあるかどうか
確認しましょう。髪の毛程度のヒビ割れ(ヘアクラック)は、
コンクリート乾燥の際の収縮と考えられますので、
急いで対処しなくてもよいでしょう。
ただし、1枚の名刺が入るほどのヒビ割れは要注意ですね。

ヘアクラックは経過観察が必要かもしれませんね。
ヒビ割れしやすい場所や、注意して観察した方がいい箇所はありますか?

小池
換気口まわりにヒビ割れが起きるケースが多く見られますから、
そこを重点的に観察するのがいいでしょう。ヒビ割れから雨水が入ると、
基礎の中にある鉄筋をサビさせ、コンクリートを破壊してしまいますからね。
ヒビ割れを見つけたら、ただちに専門家に相談することをお勧めします。

ヒビ割れは建物の強度に悪影響を及ぼす可能性があるというサインなのですね。
ほかに基礎部分でチェックすることはありますか?

小池
通常、床下に風が通るように、基礎部分には換気口が設置されています。
その換気口周辺に物を置いていないかどうか確認します。物を置くと
風通しが悪くなり、床下に湿気がたまる原因となってしまいます。
日本は高温多湿の気候ですからね。特にキッチン、洗面室、浴室、トイレなど
水まわりの床下は配管も多く、湿気がたまりやすいのですよ。

物が置いてあった場合にはすぐに移動させた方がいいということですね。
湿気がたまると、どのような問題が起きやすいのでしょうか?

小池
湿気がある場所にはいろいろな虫がつきやすく、
特にシロアリが活動しやすいのです。
シロアリは土台・柱などに害を与え、建物を侵食してしまいます。
地中から基礎の上端に向かって、ミミズが乾いたような細長い形状のものが
ありましたら、それがシロアリの道、つまり蟻道(ぎどう)です。
見つけたら、ただちに専門の業者に相談しましょう。

次に土台・床組のお話です。

小池
床に立った時、ギシギシ音がしたり、傾きがあったりすると、
土台や床組に傷みが生じている証拠です。建具を閉めた時、
上部や下部に三角の隙間が空いてしまう場合も傾いていると考えられます。

そういえば最近実家の床がギシギシと音が鳴るようになりました。
あまり気にしてなかったのですが、どうしたらいいのでしょう。

小池
床にある点検口等から、奥の土台や床組を懐中電灯で照らし、
カビやシミ、湿気がないかを確認します。
湿気については、水滴があるか、ムっとした空気を感じるかなどがポイントです。
特にチェックする場所は水まわりの下部。
ここは重点的に行ってくださいね。天気のよい乾燥した日でも、
湿気が残っているようだと危険信号ですね。

床が傷んでしまう前に、私たちにできる対策はあるのでしょうか?

小池
木材の腐朽やシロアリ対策として、定期的な点検と、
防腐・防蟻処理を施工することをおすすめします。
予防工事には、確かな経験と、豊富な専門知識が必要となります。
薬剤効果の持続には期限がありますので、お忘れなく。

軸組・小屋組など建物の骨組の確認も必要です。

小池
屋根裏に雨漏りのシミがないかどうか、確認しましょう。
雨漏りは小屋組材、柱、壁などを腐らせる原因となります。
また、仕口(しくち・木材と木材の接合部分)が緩んだり、
乾燥による縮みなどで隙間や割れが発生したり、
固定する金具が緩んでいることもありますから、
ここもしっかり確認しないといけませんね。

屋根裏も点検口から確認すればよいですか?

小池
そうですね。通常は押入れや納戸の天井など
目立たない場所に点検口が設けられている場合が多いです。

続いて地盤のお話です。

雨が降った翌日、水たまりが残っていて、 はけが悪くなっている気がするのですが。

小池
水はけが悪い時は地盤が緩んでいる場合がありますので、注意したいですね。
疑われる原因の多くは、排水管などに不備が生じたり、
破損が起きたりしているケースです。
また、地盤そのものが弱い場合もあります。
その際は地盤を固めたり、杭を打ったりすることができますよ。

最後に定期点検のお話です。

小池
自己点検は月一度くらいの目安で行いたいですね。
水はけのチェックは雨の翌日などがいいでしょう。その上で5年~10年に一度、
プロの目でしっかりと見てもらう定期点検をお勧めしています。

自己点検でうっかり見逃してしまったり、軽視したりした点が
あるかもしれません。これまでにも自己点検はしていたけれど、
私どもが点検をしたら、重大な不備が見つかったことが、しばしばありました。
何かおかしいなと感じたら、まず専門家に相談し、
きちんとした調査を受け、正しい対策を行うことが大切です。
早期発見、早期処理が経済的にも安価で済みますし、
住まいを永く維持し、安心して住み続けるための最善の策だと思います。
人間の健康管理と同じですね。
大きな病気になってからでは、手術が必要になる場合もあります。
そうならないよう、しっかり自分で健康管理を行い、健康診断を受けたり、
人間ドッグへ行ったり。住まいの点検も同じことです。

住む人が大切に守り、育てていくことこそ、
家をさらにかけがえのない、愛着のあるものにしていくのだと、
私たち読売不動産は考えております。

(取材・文/小西まどか)